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まかせて安心!!電気保安のパートナー 一般社団法人 東北電管理技術者協会会員

管理技術者のつぶやき11 2 3 4 5 6

年次点検の清掃は効率よく

     キュービクルイメージ

 年次点検とは、年に1回(数年に1回の場合もあります。)お客様の電気設備を停止(停電)して点検を実施することです。
月次点検は停止せずに点検を行いますので、普段充電していて入れない場所、電路の接続部、機器の内部等の点検や測定、保護装置の試験、機器の機能確認等を実施します。これらの測定や試験も機器の診断をするためにとても重要ですが、点検の半分以上を占める作業で重要なのは清掃です。高圧絶縁材料の絶縁抵抗値は清掃でかなり違ってきます。
 決められた時間の中でいかにきれいに清掃をするかと言うことを考えていると、ホームセンターやドラッグストアでいくつも道具や清掃用具を買い漁ってしまうのは職業病かもしれません。気がついたら事務所にモップ5セット、ホウキ5本、ウエスは布製と紙製を合わせて今後10年ぐらいは買わなくてすむかも。人の手が増えない限り同じ用具だけ増えても清掃する効率は同じなのですが・・・・。


 絶縁抵抗値 電路相互間(線間)や電路対地間(相間)の絶縁性のこと。単位はまたはMは1,000,000倍、Gは1,000,000,000倍)。絶縁抵抗の測定は、絶縁抵抗測定器で電路に合わせた電圧で測定する。電気保安の基本となっている。


     

PCBが蓄積された体!?

変圧器イメージ      

 1989年以前の古い変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油の中に、PCB(ポリ塩化ビフェニル)と言う電気絶縁性が高く、熱や化学変化のしにくい物質が入っていることがある。このPCBは人体に有害でしかも発癌性物質でもある。燃やすとダイオキシンが発生すると言われている。現在、一定量以上のPCBが含まれていると分かっている機器は敷地内にPCBと掲示して保管が義務づけられている。勝手には持ち出せないし、燃えない油なので処分が難しい。(国内では数カ所でのみ処分処理が可能だが、運搬料・処分料がかなり高額らしい)
PCBを製造・販売したメーカーが最後の処分まで責任を持ってくれればいいのだがそうではなく、所有者にこの保管や処分の責務がある。
 このPCB、製造が始まって半世紀以上経っていて、有害だと知られて騒がれてきたのはそれほど昔ではない。私が社会人になりたての二十数年前頃は、そんなことは全く知らないで、変圧器へ直に手を突っ込んでタップの切り替えや試験のための採油をし、その油臭い手でお昼のおにぎりを食べていたこともあります。
どれだけのPCBが体内に蓄積されているのか不安ですが・・・・。将来この世に別れを告げた時、燃えないからと火葬場から拒否されたりして(泣)。

環境省資料:PCB廃棄物の期間内処理に向けて(PDF2.63MB)


     

地絡保護継電器と管理技術者のジレンマ

     変圧器イメージ

 一般的な高圧受電の需要家の場合、電力会社と需要家の責任分界点※1には高圧地絡を検出して需要家の万一の事故を切り離して電力会社の停電(波及事故※2)を防いでくれる装置を需要家が設置しなければならない。
この地絡保護継電器、2種類あり、地絡したとき電流の大きさだけ検出するもの(地絡継電器)と、電流・電圧を検出してその地絡電流の流れる方向も判断し、需要家の事故か電力側の事故かを判断してくれるもの(地絡方向継電器)があります。後者の方が不要動作※3による遮断防止の信頼性が高いです。
しかし、近年、東北電力管内では変電所から需要家までの距離(すべての需要家までの総経路)が長くなって、地絡が起こっても継電器が検出できる十分な地絡電圧が出力されてこないといった問題が発生し、誤不動作※4を起こしかねません。この対策は東北電力に系統を改修・改善して貰わないと解決しないのですが、やはり費用のかかることですので電力会社はほったらかしになっているのが現状です。このような系統には不要動作の信頼性が低いですが、地絡時確実に検出をしてくれる前者の地絡継電器を選択するしかありません。
また、電力会社はこんなにとても重要な問題を解決せずにお客様や管理技術者に「波及事故は起こすな」と本末転倒なことを言ってきます。


※1 責任分界点 電力会社と需要家の境界点。保安の責務がここで区切られる。

※2 波及事故 需要家の電気設備故障、損傷等が起きても事故系統を何らかの原因でうまく切り離しできずに電力会社の事故の検出で配電線を停止させ、その停止した配電線に接続されている他の需要家が停電してしまうこと。(停電が他の需要家に波及するということで波及事故といっている。)

※3 不要動作 本来検出しなくてもいい電力会社や他の需要家の電気事故を検出してしまうこと。
(地絡継電器は電流の大きさだけを監視しているので、同じ系統の地絡事故で検出してしまうことがある。)

※4 誤不動作 電気事故が発生した場合、保護装置が事故を検出して開閉器、遮断器を解放させ事故を最小限に食い止めようとするが、何らかの理由で保護装置が事故を検出できなかった様子。


     

知識のない電気工事

     変圧器イメージ

 ある日、月も変わりいつものようにデータを用意して月次点検に向かい、点検を始めようとしたところキュービクルの側面、扉ハンドルの上にケーブルが伝わっていた。ハンドルすべてに結束バンドで縛ってあり、扉を開けられない状態。(右写真)しかもケーブルの接続先は変圧器の二次側低圧母線・・・・どうやってつないだんだ?まさか活線で?
慌ててお客様に話を聞いてみると(有)H電気工事の人が勝手に高圧遮断器を操作して電気を止め、接続し、送電していったとの話・・・・唖然としました。月次点検も扉が開かないのでどうやって点検するかしばらく考えてしまった。
この工事業者はこんな工事をしてお客様からまともに工事費取るつもりなのか?
工事業者の作業員は電気工事士の資格を持ってるのか?

工事センスないどころか電気に詳しくない人でもこんな工事ダメだと分かるよな。
と吹き出す気持ちを半分抑えながらこの工事業者に早速電話しました。工事業者は管理技術者の立会なしに勝手に操作してはいけないことを分かっていて操作をし工事を施工、しかも、それを悪びてる様子もありませんでした。他の現場でもこのように勝手に操作して作業している常習犯の工事業者なのでしょう。
お客様に現場を見ていただき、「電気設備を停電する時は工事業者だけで作業をしてはいけない」と言うことを再度認識していただきました。
ちなみに現在、扉の管理技術者ステッカー(「扉を開ける前に管理技術者に連絡すること」と書いてある。)を大きいものに変え、もちろんこのケーブルは撤去されております。


     

忘れがちな接地 移動式内燃力発電設備

     変圧器イメージ

 リース会社から簡単に借用できて給油とケーブルさえ接続すれば手軽に使用出来る移動式内燃力発電設備。実はこれも10kw(発電機力率を0.8とすると12.5kVA)以上の発電設備電気主任技術者の選任もしくは管理技術者の契約、国への届け、容量の大きさ(燃料消費の能力)によっては県(または市)へのばい煙の届けが必要となります
この移動式内燃力発電設備、運用上でも遵守しなくてはならない事項として、必ず接地を施してから運転しなければなりません。

 発電機によりますが、接地が本体筐体接地(写真中)と漏電遮断器用接地(写真下)と2つの端子に分かれており、漏電遮断器用接地側の接地接続を忘れがちです。そんな状態の運転では送電電路や負荷がどんなに漏電をしても漏電遮断器は動作しません。この時漏電箇所の近くでは配管を触ったらビリッときたとか、対地電圧の上昇で接続機器の誤動作や損傷等が起きることがあります。
こんな状態で使用していると、例えば高所作業をした作業員が知らずに漏電箇所に触れて反射的に感電にびっくりしてバランスを崩し、高所から墜落・脚立から脚を踏み外した結果、墜落災害で死亡事故につながる恐れも予想されます。
漏電箇所に触れても直接的には人を感電死亡や怪我に至らす電流が流れないと分かっていても、大したことはないなどと簡単に考えてはいけません。 


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